速報★優勝は都立狛江高校!第5回日本ダンス大会 出場全42チーム写真付きレポート

夏休みのダンス部大会シーズンに先駆けて行われる全国大会といえば「日本ダンス大会」。

今年で5回目を数え、出場チームも増加傾向。
過去には、登美丘高校、鎮西高校、北九州市立高校、京都文教高校などの全国区での強豪校が優勝・入賞を果たしていることからも、全国大会としても認知が高い。

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とはいえ、出場校は関東の学校が中心となるため、レベルアップした関東勢が西日本の強豪校に挑んでいくという対決構造が、本大会の見所ともいえるだろう。

では、出場校のパフォーマンスを写真付きで見ていこう(昨年の全チームレポートはコチラ
コメントはやや辛口にしているところもあるが、いちアドバイスとして今後の参考にしてもらえればと思います。

レポート:石原 久佳(ダンスク!/DANSTREET)
写真:渡邊 眞朗

1)実践学園高等学校(東京)
50’sのロックンロール風のショーケース。衣装がカワイイ。途中ミリタリー的なフォーメーションをはさんで、後半は強めのヒップホップで締める。衣装からは想像できないダンスの多彩さが魅力。

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2)宝仙学園高等学校(東京)
不穏なムードのスタートから、ストーリー性を感じさせる展開。主役を立てたエモーショナルな展開もインパクトを残す。

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3)北星学園女子中学高等学校(北海道)
アラビアン調のビビッドな色の衣装に、女性らしさを加えたヒップホップスタイル。同じテンポで動きをつける時間が多いので、音の取り方の緩急を考えたいところ。

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4)沖縄県立糸満高等学校
沖縄からはるばる、全員りゅうちぇるというネタものアプローチ。楽しさは充分に伝わったが、ネタをダンスに落とし込む見せ方も欲しかった。

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5)大阪府立北摂つばさ高等学校

赤金のド派手衣装に、正統派のヒップホップスタイル。緩急やバウンス感のシンクロ率が高く、練習量とチーム力を感じさせる。

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6)宮城学院高等学校
衣装の色合いも良く、4つ打ちに乗せたフォーメーションやステップが目まぐるしい展開。表情での演出をもっと突き詰めていけば、伝わる力はより増すだろう。また、後半にパワーを出し切るスナミナも欲しい。

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7)千葉県立四街道高等学校
あえて動きを抑えた序盤の作り方がうまい。傘の開閉を使ったカノンの構成も独創的。1曲使いならではの緊張感の中での展開作りがうまい。

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8)大阪産業大学付属高等学校
大阪のベースボールシャツの気合の入ったヒップホップ娘。高いシンクロ率で迫力を出し、旗ふりのパフォーマンスでは印象的なアクセントをつける。こちらも1曲使いのテンションで引きつける好例。

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9)栄徳高等学校(愛知)
衣装も雰囲気も華やかな大所帯チーム。展開の多さや、女装男子のキャラでダンス力をカバーする。

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10)日本大学明誠高等学校(山梨)
相応のダンス技術を必要とするアイソレやメリハリの効いた見せ方。コックをテーマにした作品性とのバランスも良く、高校生らしさが好印象。各ステップや動きに、よりグルーヴ感が出てくれば、さらに高いレベルにいける。

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11)さいたま市立大宮西高等学校
伝統のエリートヒップホップ集団。持ち前のカルチャー感・ストリート感・フィジカルの強さに加え、少人数でギュッとまとまったチーム力が高く、今年のさらなる活躍が期待できる。

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12)駒澤大学高等学校(東京)
ジャズホップホップをベースに、神秘的なムードとセンスの良さで見せる。過去数年の同校のチームでは一番良い出来では?

【岩井智子賞】

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13)千葉県立松戸高等学校
日本の祭りをテーマに、高校生らしいさわやかなパフォーマンス。展開もフォーメーションも衣装替えすばらしい。ただし、低音質が迫力を損なっており、もったいなかった。

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14)品川女子学院(東京)
毎回楽しいコンセプトで見せてくれるダンス伝統校。なんと今年は「ツッパリ」男女によるストーリー展開。その時代のダンスを取り入れる等、もっとコンセプトをダンス自体の動きに活かす大胆さがあっても良いだろう。

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15)東京都立鷺宮高等学校
ドスの効いたビート感と気迫、プロ顔負けのクオリティ高い衣装が、もはや校風と言える同校。男子部員の個性が光るのも特徴だ。緩急、キレ、可動域、表情など、まだまだ伸ばせるポイントはあるはず。

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16)トキワ松学園高等学校(東京)
衝撃の戦国武将スタイル。学生らしい創意工夫が見られるが、やや詰め込みすぎて、踊りが先走ってしまっているので、観客目線での振り付けの交通整理が必要かもしれない。

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17)京都文教高等学校
冒頭に幕に隠れている意図はわからなかったが、スイングジャズに乗せた目まぐるしい展開がレベル高い。移動の部分まで含めて根本的なノリ方をもっとスイングさせていくと、このタイプの1曲使いは映えてくるはずだ。

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18)東京都立狛江高等学校
毎回、衣装の完成度が高い同校だが、今年も秀逸なネコ姿。フォーメーションの緩急やシンクロ率が非常に高く、すべてのバランスの良さが秀でている。高校ダンス部がお手本にしたい方向性のひとつだ。
【優勝】
【蝶理特別賞】

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19)京都明徳高等学校
過去優勝校だけあり、キレとパワーが段違い。ヒップホップをベースに、ハウスやロック、ストンプ、アクロバット等のエッセンスの軽い取り込み方がにくい。ここにきて、関西ダンス部のレベルの高さを実感する。

【永利真弓賞】

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20)精華女子高等学校(福岡)
センスの良い衣装とヘアメイクが、頭一つアカ抜けている印象。リリカルな表現に相応の技術を持ち合わせた上に、気持ちの強さと表現力の高さを感じさせる。女性の優しさや美しさを表現しているチーム。

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>>出場校21〜42・総評へ

 

21)大阪府立久米田高等学校
立体的な見せ方と芸術性をスピード感と迫力で見せる強豪校。このスピード展開を踊りきる体力と集中力の高さは出場校の中でも随一だが、さらなるビッグインパクトを残すためには、ここから大きな引き算か足し算が必要なのかもしれない。

【準優勝】
【羽賀多賀子賞】

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22)東京都立清瀬高等学校
東京には珍しいワックを主体にした女性チーム。ノリ方や表情は良いので、ひとつひとつを急がずに丁寧に踊りきる意識を持ちたい。

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23)埼玉県立川越南高等学校
続いて、同時代のソウル/ディスコネタ。アフロに柄シャツにパンタロン、ステージに浮遊するマフラーのカス(笑)。自らがダンスを楽しんで、観客を楽しませる印象の良いチームだ。

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24)大阪市立鶴見商業高等学校
関西らしいフィジカルパワーの上に、重心の低いヒップホップをかます精鋭チーム。迫力で押してくるが、時折見せる笑顔も高校生らしくて素敵だった。

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25)桜丘中学・高等学校(東京)
初心者が多いチームだろうが、和気あいあいとした雰囲気で、それぞれの得意ジャンルを構成に活かしながら、エンディングまで元気に駆け抜けた。

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26)沖縄県立北中城高等学校
ダンス基礎力の高い沖縄チーム。土地柄のせいか切れ上がった顔つきのメンバーが多く、ワッキングのカッコ良さと相性が良い。エンディングはもっとスタミナをつけて疾走感を出したい。

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27)千葉敬愛高等学校
ビート感の弱いソウル曲に、ダンスでリズムとグルーヴを足して行くような高度なアプローチ。さすがは関東随一の強豪校。後半はゆるめのR&Bに、速く遅く自在の符割で緩急を付け、素晴らしいリズムコントロール力を見せた。
【寺川綾賞 ※特別審査員賞】

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28)天理高等学校(奈良)
BPM遅めのビートに乗せて、ふんわりとアップダウンのグルーヴを乗せて行く独特のアプローチ。ある意味、力の抜け方が他校との違いとなっていた。

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29)日出高等学校(東京)
ダンス部大会常連校のパフォーマンス。最後の和のアプローチに落ち着くまで、衣装・ダンス・曲のバランスが何を目指しているかの今ひとつわかりにくい。

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30)椙山女子学院高等学校(愛知)
女性チームの楽しさ・華やかさが全面に押し出されていて、スキル不足を補っている。自然に出ている笑顔が良いのだが、曲がシリアス調だったので、そのバランスや表現の方向性を一考したほうが良いだろう。

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31)神奈川県立光陵高等学校
これは面白い。応援団スタイルに、80年代テイストを加えて、凝ったカノン展開や表情やストーリーで見せる。独創性とそこに賭ける強い想いも伝わってくる。

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32)広尾学園高等学校
芸術的で情感に訴えかける作風で急成長中の同校。基礎のしっかりしたジャズダンスをベースに、ニュースタイル的なトレンド感も交えて、パフォーマンスをさらに進化させていた。

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33)名古屋市立西陵高等学校
名古屋らしい重心の低いヒップホップ。よく鍛えられたフィジカルの強さにチーム力の高さ。中盤からのハッピーな転換に合わせて衣装も変えたかった。

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34)大阪府立豊中高等学校
宮崎アニメの設定を借りた叙情的なパフォーマンス。大会作品となると設定負けしないプラスαが欲しいが、後半に元気な声出しとステップで「らしさ」を出してくれた。

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35)三重高等学校(三重県)
この日珍しいガチ揃えスタイルのロックチーム。ダンスは素晴らしいのだが、中盤の曲以降が、音質が落ちていたのがもったいないところ。スピーカーやヘッドフォンではわかりにくいが、大会場ではミックス時の音質の差が如実に出てくるので気つけたい。

【MIZUNO特別賞】

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36)昭和学院高等学校(千葉)
ダンス力の高さの上に、高揚感のある構成が素晴らしい。大所帯なのだが、一人として集団に生まれていない個の強さも感じさせる。今後の成長に期待大!

【長濱佳孝賞】

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37)群馬県立安中総合学園高等学校
全国優勝経験のある同校得意の邦楽曲使い。あえてシンプルな衣装で強いメッセージ性を演出し、全員での叫びもアクセントに。引き算の美学。

【3位】

【TAKAHIRO賞 ※審査員長賞】

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38)山村学園高等学校(埼玉)
架空のスーパーヒーローものという設定が面白い。悪役との対決構造も見せ所で、同校得意のジャンプやシフトもバッチリ。同校の特色や伝統がダンスにしっかり受け継がれている。

【競技委員長賞】

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39)大阪市立汎愛高等学校
ヒーローのあとは完全に悪役トカゲ集団のようなコンセプト。世界観と迫力とスピード感で見せた。

【MASAMI賞】

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40)茂原北高等学校(千葉)
CA姿にカラフルなスーツケースを小道具。アプローチは独創性があって良いので、もっとコンセプトやスーツケースの使い方を斬新にトリッキーにダンスの中で活かしたい。

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41)北九州市立高等学校
毎回、斬新な作品作りをする同校は、まるでショーケースのような余裕を感じさせる、こなれた展開。強豪校ならではのアンチテーゼ的なアプローチなのだろうか。

【明日は、きっと、できる賞】

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42)鎮西高等学校(熊本)
恋する乙女たちを演出する邦楽1曲使い。衣装もカラフルでキャッチーなのだが、ダンスをより良く見せる衣装作りという意味では一考すべきだと感じた。

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<総評>
出場校のダンスや作品のレベルが上がっていくのは、もはや当たり前というか驚くことではないだろう。
何せ、ダンス部はいまだ上り調子の部活。
ダンス部がない学校に同好会ができ、やがて部に昇格し、創作ダンスやチアー系がストリート系に変化し、大会出場のために練習でレベルをアップし、大会ではしのぎを削り合う、という状況が続いているわけだ。
本大会でも、初出場の顔ぶれや出場常連校の作品の推移や伝統などに注目してみると、非常に興味深い。
例えば、前回の上位入賞校が今年はパワーダウンしていたり、プレッシャーからか狙いすぎていたり、かつての強豪校が久々に会心作を繰り出したり、あるいは目立たなかった学校が急に生まれ変わったように力強い作品を作ったり。
部活というのは、各校の練習方法や作風(戦い方)に伝統があって、それを次の代がブラッシュアップさせながら受け継いでいくものなのだが、そうは簡単にいかないところが観客としては面白い部分なのだ。
おそらく、高校野球ファンもそんな感じで楽しんでいるのだろう。
そういう視点や地元愛などで、一般の方がダンス部のパフォーマンスを見守ってくれる「高校ダンス部ファン」となっていけば、このシーンは大きく変わっていくに違いない。
ダンス部大会もかなりの数が増え、それぞれのやり方や審査基準などは統一されない状況が続くが、野球やサッカーと同じように「ファンを作る」という意識だけは関係者の総意としてあってほしいところだ。
そして「注目が集まる」という状況が、ダンス部のそもそもの教育的意義とうまくシンクロしていくことが、個人的には理想だと考えている。
やや話が外れたが、全体のレベルが上がっていく一方で、なかなか改善されないポイントをあげていこう。これらも「ダンス部作品の一般化」という意味では非常に重要なポイントだ。

*曲・ダンス・衣装の合致
生徒主体で作品を作るとよく起こり得ることなのだが、曲がシリアスなのに表情が満面の笑みだったり、衣装がポップすぎたり。あるいは衣装とダンスの動きの相性が悪かったり、歌詞の意味をきちんと捉えていなかったり。
曲・ダンス・衣装の3つのイメージの合致は、しっかりと最初から見据えて、制作途中でもチェックを繰り返すようにしたい。

*パロディのリスク
ここ数年で目立つ強豪校がパロディを得意としていることもあり、大会初心者の学校が取り組みやすいアプローチとしてパロディや扮装ものをとる場合が多い。
観客との共通意識や設定を作るために手っ取り早いやり方でもあるのだが、ほとんどの場合、これらはいわゆる「出オチ」なんだということを覚えておいてほしい。
舞台に出た瞬間に「あ〜」とわかる設定は、コンテストの場合は逆に自らのハードルを上げてしまっている。
ダンススキルや構成力で、そのハードルを越えていかないと「設定負け」してしまうリスクがあるのだ。

*曲の音質について
これはダンス部がずっと抱えている問題。
おそらく「音質」という意識が、最初からスマホやハードディスクプレイヤーなどで音楽に親しむ現代の高校生には薄いのだと思われる。
一般人が入手できるその曲の最高音質はCDに入っている状態。
これをPCやスマホに取り込んだ場合、設定によってはデータ圧縮されてしまい、音質が低下する。
これによって、低音感や音域が損なわれてしまって、本体のような高品位の大音量PAで会場に流されると、より顕著に伝わってしまうのだ。
せっかく重心の低いヒップホップをやっているのに、曲の低音感が足りなかったり、曲をつないだ(ミックスした)瞬間に、音質や音量のレベルが下がって、作品の勢いがなくなってしまったり。
曲のミックスを部内でやっている学校は多いと思うので、今一度、音質やミックスやレベル調整について、君たちのダンスを最大限活かすために、しっかり調べて対策してほしい。

 

(石原久佳:ダンスク!/DANSTREET

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